【派遣の有給】取ったらいくらもらえる? いつでも取れる?会社側の本音まで全部解説

派遣の制度・権利

どうも、なけ3です。リーマンショック世代で派遣登録からスタートし、気づいたら同じ会社の営業になっていたアラフォーです。

有給の制度の基本はこちらで解説しています。

👉 派遣の有給休暇、基本のき

今回はその続き。「有給を取ったら実際いくらもらえるのか」「いつでも取れるのか」、そして誰も教えてくれない「会社側の立ち回り」まで、派遣営業の本音で全部書きます。

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このブログについて一言

このブログは倉庫・工場・物流系のブルーカラー派遣をメインに書いています。IT・事務系とは環境が全然違うので、その点はご了承ください。

有給を取ったら、いくらもらえるのか

正社員・月給制の人はシンプルです。有給を取っても給料は変わらない。1日休んで1日分の賃金がそのまま出る。これが多くの人が「有給=1日分の給料」と思っている理由です。

でも、倉庫・工場系の派遣やスポットワーカーは違います。計算方法が3種類あって、どれを採用しているかは派遣会社の就業規則次第です。

計算方法は3種類(労働基準法で定められている)

①通常の賃金(最もシンプルで労働者に有利)

有給を取る日に働く予定だった時間×時給で計算します。

例:時給1,200円・8時間勤務の予定だった日に有給を取得
→ 1,200円×8時間=9,600円

これが一番わかりやすく、労働者にとっても有利な計算方法です。

②平均賃金(スポットワーカーに多い・要注意)

過去3ヶ月の賃金総額をベースに計算します。計算式は2通りあり、高い方を使います。

  • 過去3ヶ月の賃金総額 ÷ 過去3ヶ月の暦日数(土日含む)
  • 過去3ヶ月の賃金総額 ÷ 過去3ヶ月の労働日数 × 60%

この2つを計算して、金額が高い方が「平均賃金」になります。

スポットで飛び飛び働いている人は、暦日数(土日・祝日含む)で割ると金額が下がりやすい。でも労働日数で割って60%を掛けた方が高くなることが多い。法律上は高い方を使うので、一概に「不利」とは言い切れません。ただしフルタイムの正社員と比べると低くなるケースがほとんどです。

③標準報酬日額(社保加入者のみ)

健康保険法上の標準報酬月額を30で割った金額です。就業規則への明記と労使協定の締結が必要な方法で、採用している派遣会社は多くありません。

例:標準報酬月額が20万円なら → 20万円 ÷ 30日 ≒ 6,666円が有給1日分

派遣営業として正直に言う:

「うちの有給はどの計算方法ですか?」と登録前・入社前に聞いたことがある人はほとんどいないと思います。でも計算方法によって1日数千円の差が出ることもある。登録のタイミングで確認することを強くおすすめします。

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「いつでも有給を取れる」は正しいか?

有給は「労働義務のある日」にしか取れません。これは法律上の大前提です。

具体的に整理します。

土日が契約上の休日なのに、土日に有給を申請 → NG

契約上の休日はもともと働く義務がない日なので、有給を使う意味がありません。当たり前に聞こえますが、勘違いしている人が意外と多い。

スポットワーカーのケース:月曜に一度も出勤したことがないのに月曜に有給 → 契約次第でOK

ポイントは「雇用契約上の所定労働日に月曜が含まれているかどうか」です。

契約書・労働条件通知書に月曜も所定労働日として記載されていれば、一度も月曜に出勤したことがなくても有給を申請できます。逆に、シフト制で都度決まるような契約形態であれば、実態に応じた判断になります。

この部分は派遣会社によって運用がバラバラです。「所定労働日はどこに設定されていますか?」この一言を就業前に確認するだけで、後からのトラブルを防げます。

「仕事がない日」に有給を使えるか → 契約内容次第

スポット派遣でよくある疑問です。「今週は仕事の紹介がなかった。有給を使えるか?」

有給は労働義務がある日に取得することが原則で、もともと休日として定められている日には充てることができません。ここで重要なのが「契約書に何と書いてあるか」です。

ケース①:31日契約・所定労働日が前半15日と明記されている場合

前半15日を働き切った時点で、雇用契約上の労働義務は全うしています。残りの16日は契約上の「休日」扱いになるため、有給を充てることはできません。

ケース②:所定労働日が曖昧・シフト制の場合

派遣会社都合で仕事が入らなかった場合、それは有給ではなく休業にあたる可能性があります。休業手当(平均賃金の60%以上)の問題になってくる話であり、有給とは別の話です。

派遣営業の本音:

スポット系の派遣ワーカーが一番損をしやすいのが「契約書が曖昧なまま働いている」ケースです。登録時・就業前に「所定労働日はどこからどこですか?」と一言確認しておくだけで、後から「使えると思ってた」という事態を防げます。面倒でも、ここだけは確認してください。

有給の「取り方」で、その人の最後の印象が決まる

有給は権利です。これは間違いない。

でも14年この仕事をしていて思うのは、有給の「取り方」が、その人の社会人としての最後の評価になるということです。

今後も働き続ける人へ

派遣先と良い関係を保ちながら、上手に取ってほしいというのが正直な気持ちです。繁忙期を避けて取る、なるべく早めに申請する、急な取得が続かないようにする。こういった気遣いができる人は現場からの信頼が厚い。信頼が厚い人は次の仕事も紹介しやすい。

権利を主張することと、思いやりを持つことは矛盾しません。

辞める人へ:まとめ取りは法律上OK

退職が決まった後、残っている有給をまとめて取得する。これは法律上、問題ありません。会社側は原則拒否できず、退職直前は時季変更権も事実上機能しません。退職日以降に有給は使えないため、ずらす先がないからです。

これまで頑張ってくれた人なら、全部使い切って次に進んでほしいと思います。

バックレ→あとから連絡→「有給全部消化させろ」について

これが一番困るケースです。正直に書きます。

無断欠勤をして連絡が取れない状態になった後、数日後に突然「残りの有給を全部消化させてください」と連絡が来る。これ、実際にあります。

法律の話をすれば、有給取得の権利自体は残っています。「バックレたから有給は無効」は法律上通らないケースがほとんどです。ただし無断欠勤は懲戒処分の対象になり得ます。また、退職により消滅する有給の残日数については、会社側が例外的に金銭で買い上げる対応を取ることも可能です。

派遣営業の本音:

法律以前の話として、バックレで突然来なくなった後に「権利だから」と言われると、現場で踏ん張っていた他の派遣ワーカーや派遣先スタッフに申し訳ない気持ちになります。そしてその後に来る別の派遣ワーカーが、余計な目で見られることになる。派遣会社全体の信頼に関わる話です。法律は守ります。でも、それがすべてではないと思っています。

派遣会社の本音:有給をめぐる会社側の立ち回り

「派遣会社って有給を取らせないように動いているんじゃないか」と思っている人もいるかもしれません。

正直に言います。そういう会社は存在します。法律の範囲内で会社が持っているカードを知っておくと、交渉の場面で役に立ちます。

①年10日以上発生したら、5日は必ず取らせないといけない

2019年の働き方改革以降、年間10日以上の有給が付与される労働者に対して、会社は最低5日を取得させる義務があります。これを守らないと会社側が罰則の対象です。

逆に言えば、10日以上付与されているのに5日も取れていない場合は、会社側の義務違反です。

「有給を取りたいんですが…」と言いにくそうにしているワーカーさんには「10日以上付与されているなら、5日取るのは会社の義務でもあるんですよ」と伝えると、少し楽になる人が多い。権利の主張が苦手な人ほど、この言い方が効きます。

補足:途中退職の場合、5日義務は免除される

5日取得義務は「付与日から1年以内」という期間の中での話です。年の途中で退職した場合、その1年間の期間が完成しないため、会社側の義務違反にはなりません。「退職が決まったから有給は消化しなくていい」という空気を作る会社がありますが、それは5日義務の話であって、退職時にまとめて取る権利とは別の話です。混同しないようにしてください。

②申告があったら、原則断れない

有給取得の申請を会社側は原則拒否できません。例外は「時季変更権」ですが、これを行使するには「その日に休まれると業務が回らない」という具体的な事情が必要です。「繁忙期だから」「忙しそうだから」という曖昧な理由では認められません。

「今は忙しいから」を繰り返す派遣会社や派遣先には「いつなら取れますか?」と具体的な日程を聞き返すのが有効です。曖昧にし続けるのは実質的な取得妨害になりかねない。

③有給の残日数を聞かれても、教える法的義務はない

有給休暇の残日数を本人に通知する法的義務はありません。給与明細に残日数を記載している会社もありますが、法的義務ではなく取得促進のための対応です。

ただし補足があります。2019年の改正で「年次有給休暇管理簿」の作成が義務化されました。さらに「労働時間等見直しガイドライン」では、管理簿の取得状況を労働者本人に周知することが求められています。罰則はないものの、周知を求める指針は存在します。

整理すると:

  • 残日数を通知する法的義務:なし
  • 有給管理簿の作成義務:あり(罰則あり)
  • 管理簿内容の本人への周知:ガイドラインで求められている(罰則なし)

残日数を教えないこと自体は違法ではありません。でも「取らせないために意図的に隠す」ために使うのは印象が悪い。ワーカー側としては「残日数を教えてください」と直接聞く権利は当然あります。入社時・更新時に自分で把握しておくのが一番の自衛策です。

まとめ

  • ✅ 有給の計算方法は3種類。どれを採用しているか登録前に確認する
  • ✅ 平均賃金は「高い方」を使う。スポットワーカーは不利とは限らないが低くなりやすい
  • ✅ 有給は「労働義務のある日」にしか使えない。土日休みの日には使えない
  • ✅ スポットワーカーの所定労働日は契約書で確認する
  • ✅ 派遣会社都合で仕事がない日は、有給ではなく休業手当の問題になる可能性がある
  • ✅ 退職時のまとめ取りは法律上OK。時季変更権も退職直前は原則機能しない
  • ✅ バックレ後の有給全消化は法的に争える余地があるが、会社側は金銭買い上げの選択肢もある
  • ✅ 年10日以上付与されているなら5日取らせるのは会社の義務
  • ✅ 途中退職の場合、5日義務は完成しないため会社側の義務違反にはならない
  • ✅ ただし退職時のまとめ取りの権利は5日義務とは別の話
  • ✅ 有給申請を断るには具体的な理由が必要。曖昧な理由はNG
  • ✅ 残日数の通知義務はないが、聞けば答えてもらえる権利はある。自分で把握しておくのが最善

知っているかどうかで、数万円・数十万円の差が出ることがあります。有給は「もらえるもの」ではなく「使うもの」です。自分で動いてください。

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※この記事の内容は一般的な情報をもとにまとめています。詳細は派遣会社または労働基準監督署にご確認ください。
参考:労働基準法第39条、厚生労働省「年次有給休暇の付与ルール」

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