派遣の時給はどう決まる? ピッキング・倉庫・工場系 職種×都道府県 下限時給の計算方法と早見表【令和8年度・2026年版】

派遣の制度・権利

どうも、なけ3です。リーマンショック世代で派遣登録からスタートし、気づいたら同じ会社の営業になっていたアラフォーです。

このブログでは時給についての記事もいくつか書いています。

👉 派遣の時給、頑張っても上がらない話

👉 【派遣の有給】取ったらいくらもらえる?会社側の本音まで全部解説

今回は少し視点を変えて、「派遣の時給ってそもそもどうやって決まるのか」という仕組みの話をします。

知っておくと、求人を見るときの目安になります。時給交渉の根拠にもなります。

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このブログについて一言

このブログは倉庫・工場・物流系のブルーカラー派遣をメインに書いています。IT・事務系とは環境が全然違うので、その点はご了承ください。

派遣の時給、実はルールがある

「派遣の時給って、派遣会社が勝手に決めてるんじゃないの?」

そう思っている人が多いと思います。

でも実は、2020年4月施行の改正労働者派遣法(同一労働同一賃金)によって、派遣の時給には一定の下限が設けられています。

その仕組みが「労使協定方式」です。

労使協定方式とは?

派遣会社が労使協定方式を採用している場合、時給の下限はこの計算式で決まります。

職種ごとの基準値 × 都道府県別地域指数 + 通勤手当(79円)

※令和8年度(2026年4月〜)適用の基準です。

この計算式は、厚生労働省の職業安定局長通達に基づくものです。労使協定方式を採用する派遣会社は、この通達が定める一般賃金水準を下回らないよう賃金を設定する義務があります。任意の参考資料ではなく、法律上の義務として定められた計算基準です。

📄 厚生労働省「令和8年度適用 同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(局長通達)」(PDF)

この通達は毎年改定されて発表されます。派遣会社は労使協定を締結する際、この基準値を使って賃金を計算しなければなりません。

①職種ごとの基準値

厚生労働省が、賃金構造基本統計調査をもとに職種ごとの基準値を毎年発表しています。

これが「その職種で働く0年目(経験なし)の下限時給」の基礎になります。

倉庫・工場・事務系でよく使われる職種の基準値(令和8年度・2026年4月〜適用):

  • ピッキング作業員:1,175円
  • 仕分け・選別作業員:1,195円
  • 倉庫作業員:1,205円
  • フォークリフト運転作業員:1,228円
  • 梱包作業員:1,144円
  • 包装作業員:1,099円
  • 一般事務員:1,122円
  • 受付・案内事務員:1,157円

基準値は経験年数によっても上がります。1年目・2年目・3年目・5年目・10年目・20年目と段階的に設定されており、長く働くほど下限が引き上げられる仕組みになっています。

②都道府県別地域指数

同じ仕事でも、東京と地方では生活コストが違います。その差を反映するのが地域指数です。

全国平均を100%として、都道府県ごとに設定されています。

主な都道府県の地域指数(令和8年度・2026年4月〜適用):

  • 東京都:111.4%
  • 神奈川県:110.1%
  • 大阪府:107.4%
  • 埼玉県:107.2%
  • 愛知県:104.4%
  • 北海道:94.8%
  • 青森県:85.4%

東京と青森では約26ポイントの差があります。同じ仕事をしていても、どこで働くかでこれだけ変わります。

③通勤手当(79円)

1時間あたりの通勤手当相当額として、79円が加算されます。

令和8年度(2026年4月〜)から、前年度の73円より6円引き上げられました。近年の交通費上昇を反映した改定です。

計算してみると

ピッキング作業員・東京都の場合:

1,175円 × 111.4% + 79円 = 1,388円(切り上げ)

ピッキング作業員・青森県の場合:

1,175円 × 85.4% + 79円 = 1,083円(切り上げ)

同じピッキングでも、東京と青森では305円の差があります。

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もうひとつの地域指数:ハローワーク係数

労使協定方式には、実は地域指数の算出方法がもうひとつあります。

都道府県係数(賃金構造基本統計調査ベース)ではなく、職業安定業務統計(ハローワークの求人データ)をベースにした地域指数を使う方法です。

こちらは都道府県単位より細かいハローワーク管轄エリア別に設定されており、地域によっては都道府県係数より低い数値になるケースがあります。どちらの係数を使うかは派遣会社が選択できるため、同じ地域・同じ職種でも採用している係数によって下限時給が変わることがあります。

この計算値は「下限値」です

ここが一番重要なポイントです。

この計算値は下限値です。派遣会社はこれを下回る時給を設定することができません。

ただし、地域別最低賃金がこの計算値を上回る場合は、最低賃金が優先されます。

  • 計算値 > 最低賃金 → 計算値が下限
  • 最低賃金 > 計算値 → 最低賃金が下限

近年の最低賃金の大幅な引き上げにより、地方では最低賃金が計算値を上回るケースも出てきています。

派遣会社が合法的に下限を下げる方法がある

派遣会社は職種の分類の仕方で、下限時給を変えることができます。

ピッキングと梱包が混在する作業でも、どちらの職種として申告するかで基準値が変わります。

  • ピッキング作業員:1,175円
  • 梱包作業員:1,144円

差は31円ですが、何十人・何百人規模になれば会社側には大きな話です。

「明らかに合理性がないものでなければ、労使協定で取り決めればどちらでも構わない」というのが実務上の解釈です。これは法律違反ではありません。

ただし、実際の仕事の中心がピッキングなのに梱包作業員として契約されている場合は、確認していい。自分の契約書の職種名と、実際にやっている作業の中心が一致しているかを確認してみてください。

この知識、何に使えるか

求人を見るとき、この計算値と比べることで著しく低い時給の求人を見分けることができます。

例:埼玉県でのピッキング作業員の下限値

1,175円 × 107.2% + 79円 = 1,339円

これを大幅に下回る時給の求人が出ていたら、確認する価値があります。「なぜこの時給になっているのか」を聞ける根拠になります。

ただし、時給の高さだけが全てではありません。職場環境・距離・シフトの柔軟性など、総合的に判断してください。

職種別・都道府県別 時給下限早見表

令和8年度(2026年4月〜)の基準値をもとに、倉庫・工場・事務系の時給下限を都道府県別にまとめました。

計算式:基準値 × 地域指数 + 79円(切り上げ)

※令和8年度(2026年4月〜)適用|計算式:基準値×地域指数+79円(切り上げ)|出典:厚生労働省「令和8年度適用 同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(局長通達)」(PDF)

まとめ

  • ✅ 派遣の時給には「労使協定方式」による下限値がある
  • ✅ 計算式:職種別基準値 × 都道府県地域指数 + 79円(切り上げ)
  • ✅ 令和8年度(2026年4月〜)から通勤手当が73円→79円に引き上げ
  • ✅ 地域指数には都道府県係数とハローワーク係数の2種類があり、採用する係数で下限が変わることがある
  • ✅ 最低賃金が計算値を上回る場合は最低賃金が優先される
  • ✅ 職種の分類の仕方で下限値が変わるため、契約書の職種名は確認する価値がある
  • ✅ この知識は「著しく低い時給を見分ける」ために使える

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※この記事の数値は以下の厚生労働省公式資料に基づいています。労使協定方式を採用する派遣会社は、この通達に定める一般賃金水準を下回らない賃金を設定する義務があります。
📄 厚生労働省「令和8年度適用 同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(局長通達)」(PDF)
令和8年度(2026年4月〜)適用

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