倉庫・工場系の時給はどう決まる?労使協定方式を現場営業が深掘り解説【第2部】

派遣の制度・権利

どうも、なけ3です。リーマンショック世代で派遣登録からスタートし、気づいたら同じ会社の営業になっていたアラフォーです。現場で気づいたことをゆるく発信しています。

この記事は「派遣の時給、どうやって決まるの?2つの方式をわかりやすく解説」の続編です。

👉 前回の記事はこちら


はじめに

前回の記事で、派遣の時給の決め方には「労使協定方式」と「派遣先均衡均等方式」の2つがあるとお伝えしました。

今回は倉庫・工場・物流系のブルーカラー職種に絞って、労使協定方式の仕組みをもう少し深掘りしていきます。

「なんでこの時給なの?」という疑問に、できるだけ具体的に答えていきます。


労使協定方式の基準額はどうやって決まるの?

労使協定方式では、厚生労働省が毎年発表する「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」をもとに基準額が決まります。

この基準額は職種・地域・経験年数によって変わります。


職種別基準額と東京での時給目安(令和8年度)

派遣会社が支払う時給の最低ラインは「基準額×地域指数+交通費相当額」で計算されます。

東京都の地域指数は1.141、交通費相当額は79円(令和8年度)です。

職種東京での目安時給
フォークリフト約1,480円前後
コールセンター約1,490円前後
ピッキング・仕分け約1,420円前後
梱包作業約1,380円前後
一般事務約1,350円前後

※あくまで目安です。実際の基準額・地域指数は毎年改訂されます。正確な数値は厚生労働省の公表データをご確認ください。👉 厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」

意外と知られていないのが、一般事務よりフォークリフトやピッキングの方が基準額が高いという点です。体力的な負荷や専門性が賃金に反映されている形です。


都道府県係数って何?

基準額は全国一律ではありません。地域によって物価や賃金水準が違うので、都道府県ごとに係数が設定されています。

東京都は係数が高く、地方は低くなる傾向があります。

地域係数のイメージ
東京都1.141
大阪府・愛知県1.1前後
地方都市0.9前後

つまり同じピッキング作業でも、東京と地方では基準額が変わってくるということです。


ハローワーク係数って何?

都道府県係数に加えて、さらに細かくハローワーク管轄別の係数も設定されています。

同じ東京都内でも、都心と郊外では賃金水準が違います。その差を反映するのがハローワーク係数です。

東京都内でも

  • 新宿ハローワーク管轄(都心)→係数高め
  • 八王子ハローワーク管轄(郊外)→係数低め

という形で細かく分かれています。


経験年数による上昇はあるの?

あります。労使協定方式では能力・経験調整指数という仕組みがあり、経験年数が上がるにつれて基準額が上昇します。

経験年数調整指数のイメージ
〜1年未満基準額×1.0
1〜3年基準額×1.05前後
3〜5年基準額×1.1前後
5年以上基準額×1.15前後

長く働くほど時給が上がる仕組みになっています。ただし派遣会社によって運用が異なるので、担当者に確認してみてください。


交通費はどうなってるの?

労使協定方式では交通費の扱いが2パターンあります。

パターン① 時給に含まれている(合算支給)

交通費相当額が時給の中に含まれている場合です。求人の時給が高く見えても、実は交通費込みのケースがあります。

パターン② 実費支給

実際にかかった交通費を別途支給するケースです。この場合は求人の時給がそのまま手取りに近い形になります。

求人を見るときは必ず「交通費込み」かどうかを確認しましょう。


基準額は毎年4月に改訂される

労使協定方式の基準額は毎年4月に見直されます。

交通費相当額の改訂

交通費相当額(合算支給の場合)は以下のように改訂されています。

年度1時間あたりの交通費相当額
令和7年度まで73円
令和8年度(2026年4月〜)79円

2年前の賃金水準をもとに毎年4月に改訂される仕組みになっています。

職種別の基準額も4月に改訂

交通費だけでなく、ピッキング・検品・フォークリフトなどの職種別の基準額も毎年4月に見直されます。


10月の最低賃金改訂と派遣の時給の関係

毎年10月に最低賃金の改訂がありますが、労使協定方式を採用している派遣会社の多くは最低賃金より高い水準で時給を設定しています。

そのため10月の最低賃金改訂では時給が変わらず、4月の基準額改訂のタイミングで時給を見直す派遣会社が多いというのが実態です。

求人情報を見ていても、4月前後に時給が変わるケースが多いのはこのためです。

ワーカーさんにとっては4月が時給アップのチャンスになる可能性があるので、毎年4月前に担当者に確認してみるのもいいかもしれません。


営業として思うこと

ワーカーさんから「なんでこの時給なの?」と聞かれることがあります。

正直に言うと、この仕組みを完全に理解している派遣営業も多くはないと思います。自分も営業になってから勉強してはじめて「こういう仕組みだったのか」とわかりました。

大事なのは「なんとなく決まっている」わけじゃなくて、ちゃんとした根拠がある、ということです。

疑問に思ったことは担当者に聞いてみてください。ちゃんと説明できる担当者かどうかも、派遣会社を見極めるポイントになります。


まとめ

  • 労使協定方式の基準額は職種・地域・経験年数で変わる
  • 東京都の地域指数は1.141で地方より高くなる
  • ハローワーク係数でさらに細かく地域差が調整される
  • 経験年数が上がると基準額も上がる仕組みがある
  • 交通費は「時給込み」と「実費支給」の2パターンある
  • 基準額は毎年4月に改訂される(10月の最低賃金改訂とは別)
  • 4月前に担当者に時給の確認をするのがおすすめ

次回は第3部として交通費の仕組みをさらに詳しく解説します。

※この記事は一般的な情報をもとにまとめています。詳細は派遣会社または厚生労働省の公開情報をご確認ください。

参考:厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000077386_00001.html

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